奥平真吾グループ
AT サムタイム
2007年8月18日(土) 吉祥寺サムタイム
奥平真吾(ds) 桜井郁雄(b) 池田篤(as) 福田重男(p)
8月18日帰国ツアー中の奥平真吾グループを吉祥寺サムタイムで聴いてきました。
メンバーは
奥平真吾(ds)
池田篤(as)
福田重男(p)
桜井郁雄(b)
奥平真吾(ds)
この日は予定されていた上村信(b)が都合で出演できなくなり、代わりには、
長年、辛島文雄(p)トリオなどで奥平真吾(ds)と一緒に演奏してきた桜井郁雄(b)名人です。
渡米してニューヨークに在住して既にかなりの年月がたつ往年の天才少年奥平真吾ですが、
このところ、毎年のように夏には帰国して、辛島文雄トリオなどでツアーをするのが恒例となっていますが、
今年は奥平真吾自身のグループでツアーという嬉しいプレゼントです。
去年は、奥平真吾を聞き逃したので、私にとっては2年ぶりの奥平真吾の演奏です。
毎回聴くたびに、凄さをましている、奥平真吾ですが、今回も驚きの演奏で奥平真吾の凄さを実感しました。
開演前に、いつものことですが、入念に入念にドラムセットを調整する奥平真吾。ためしに叩く音自体が既に奥平真吾トーンで驚いてしまう。
池田篤(as)
この日は、アルトに現在、日本のアルト界で最強の一人、池田篤を迎えて、スタンダード中心、福田重男(p)のオリジナル作品を2曲取り上げて演奏しました。
池田篤のアルトは、表現のダイナミックレンジの広さが最高です。
アップテンポな曲でのタイトで歯切れのいいサウンドから、バラードでの溶けるように甘いサウンドまで素晴らしい表現で歌い上げます。
福田重男(p)
福田重男のピアノはいつもにようにダンディで虚飾を廃した美しいサウンドで池田篤をサポートします。
桜井郁雄(b)
桜井郁雄のベースは相変わらずの桜井郁雄サウンドで重厚で揺るぎない音色でグループを支えます。
奥平真吾(ds)
そして、奥平真吾のドラムはまた一つ凄くなって帰ってきたようです。
誰々風とたとえることなど出来ない、奥平真吾だけのドラムの世界で、一段と研ぎ澄まさされたサウンドです。
余分な音が一切無い、驚くほどクリアーなサウンドは凄まじい迫力とパワーの演奏なのに清涼感さえ感じさせます。
透明で多彩な音色を持つシンバルワークに、クリアーなスネアサウンド、重厚でボトムを支えるバスドラも驚くほど透明感に満ちたもので、リズムの切れの鋭さは絶句してしまいます。
名刀村正の切れ味といった感で、大音量なのに聴いている私は鳥肌が立つような寒気さえしてしまいます。
奥平真吾のスネアのショットは、静寂の中でコーンという乾いた音が「わびさび」の世界を感じさせる日本庭園の「ししおどし」(点で支えた竹筒の一端に流水が貯まるとその重みで竹筒が下がり、水が流れ出ると反転し、もう一方の端が石などを叩いて高い音をたてる「ししおどし」)のように静謐な印象さえ感じさせる世界です。
2007年8月16日に他界した巨匠MAX・ROACHを偲んで、FOR BIG SIDを奥平真吾はソロで演奏しました。若かりし日々、奥平真吾もMAX・ROACHを一生懸命コピーして練習したそうですが、本人曰くそのころの方が今よりうまかったそうです(^_^;)
このソロがまた素晴らしかった。MAX・ROACHのあの特徴的なハイ・ハットのリズムにスネアからシンバルにわたるスティックの特徴的なMAX・ROACH節が再現され、MAX・ROACHへの深い思いと奥平真吾の名人芸を見せつけられました。
NIGHT IN TUNISIAではタイムチェンジの大きさと奥平真吾がメンバーに気配を与えるショットの絶妙さ!!また、このチェンジの激しい演奏に平然と吹ききってしまう池田篤の驚くべきアルトテクニック!!絶句です。
サードセットまであるサムタイムですが、時間の関係でセカンドセットまで聴いて引き上げましたが、、奥平真吾を聴いてからは、今夜はドラムは聴けないようです。
奥平真吾のこの夏のツアーもまだ3回残っています。
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