尾田悟vs松島啓之 at 原宿キーノート

このところ,積極的に若手の中心的プレイヤーと共演を続けている尾田悟ですが,今回は松島啓之との共演です。松島といえば,現在の若手トランペットプレイヤーの中では原朋直とならんで実力人気ともトップの存在です。

メンバーは
尾田悟(ts)
松島啓之(tp)
岡村誠史(g)
須藤俊也(p)
野中英士(b)
田鹿雅裕(dr) 特別ゲスト 千装智子(fl)

ファーストステージの曲目は
YOU CAN DEPEND ON ME
IF I WERE A BELL
IN A MELLOWTONE
COTTON TAIL
MY BLUE HEAVEN
FOOLIN’MYSELF
JUST FRIEND
 
セカンドステージの曲目は
MACK THE KNIFE
ALL THE THINGS YOU ARE
ST.THOMAS
MOKO FANTASY
UNDECIDED
SWEET ROLAINE
MY ONE AND ONLY LOVE
LESTER LEAPS IN

全体の印象では,期待以上に尾田悟と松島の組み合わせが素晴らしいものでした。
尾田悟のコーンの渋い印象と松島の渋く,哀愁漂うトランペットの音色の調和や,松島のスペースを十分に生かしたプレイは尾田悟のテナーの唄とぴったり合って心地よいハーモニーを奏でます。



印象に残った曲目は,IF I WERE A BELLとMY ONE AND ONLY LOVEでの松島の美しいミュートの音色の良さと引く崩さないスペースを生かしたプレイ。



尾田悟が昨年オランダのBREDA JAZZ FESTIVALに出演した際のライブCD(BREDA JAZZ festival/29e Breda Jazz Festival13-16mei 1999/LiveRecording/feel the jazz/FTJCD57/RELEASED BY ;SPRONK RECORDS/Veemarkstraat52-54 4811ZJ BREDA)を紹介しながら,そこにも収録されているFOOLIN’MYSELF(ついでにオランダでの共演メンバーは,SATORU ODA(TS) HARRY KANTERS (P)AD.V.BEERENDONK(B) MATTY DEWIJS(DR))を演奏しましたが,ビリー・ホリデイの持ち歌を叙情的に歌い上げる尾田悟のテナーは絶品です。

前回から久しぶりに尾田悟グループに参加(復帰?)している名人岡村誠史もMY BLUE HEAVENとSWEET ROLAINEという懐かしのチューンでの素晴らしいソロギター(7弦ギター)で聴衆にため息をつかせていました。


須藤俊也(p)野中英士(b)田鹿雅裕(dr)のおなじみのレギュラーリズムセクションも,手堅いだけでなく,尾田と松島をあおり,全体の構成をさらに緊密な物としています。


期待の新鋭,千装智子(fl)のフルートプレイは誠実にジャズに取り組む姿勢がその明るく美しい音色とプレイに現れているようで,今後の成長に大いに期待されます。

今後の尾田悟のライブですが,10月には,先ほど述べたオランダのオールスターを招聘して東北中心にツアーを敢行するそうです。その打ち上げとして,10月14日(土)原宿キーノートに出演するそうです。尾田悟によれば名手揃いで楽しめるライブになるということです。