尾田悟5 with

アルト仲良し(多田誠司・山田穣)

2001年5月22日 Bflat赤坂での尾田悟5with アルト仲良し(多田誠司・山田穣)という特別な組み合わせのライブを聴いて来ました。

メンバーは

尾田悟(ts)
岡村誠史(g)
本田富士夫(p)
野中英士(b)
バイソン片山(dr)
千装智子(ちぎらともこ)(fl)
特別ゲスト 多田誠司(as)
      山田穣(as)

曲目は
UNDECIDED
IN A MELLOWTONE
IT DON'T MEAN A THING IF IT AIN'T GOT THAT SWING
PERDIDO
IF I SHOULD LOOSE YOU
DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE
ST.THOMAS
TENOR MADNESS
JUST FRIENDS
WIILOW WEEP FOR ME
MY ONE AND ONLY LOVE
SCRAPLLE FROM THE APPLE
など

このところ,若手との交流を続ける尾田悟が,今度は,現在日本アルト界を引っ張る,アルト仲良しコンビ,多田誠司と山田穣を迎えた素晴らしい顔合わせのライブとなりました。

UNDECIDEDでは尾田悟の円熟の歌心あふれるソロに続いて,千装智子のフルートソロ,多田誠司の1曲目から蛇口前回ともいうべきほとばしるアルトソロ,山田穣の渋い音色のモーダルなソロ



IN A MELLOWTONE では,尾田悟のスインギーなソロに続いて多田誠司のこれまた強烈にスイングするアルトが印象的です。そして,岡村の7弦ギターのコードワークの絶妙な美しさ。

PERDIDOでの千装智子のフルートソロの力強いプレイ,山田穣のいかにも木管楽器だと意識させるくすんだ渋い音色のアルトが静謐な印象のアルトソロ





続いて,多田誠司と山田穣のアルト仲良しコンビによる ,IF I SHOULD LOOSE YOU(曲名失念し,わざわざ山田穣さんに曲目を聞きにいったのに忘れてしまったので,違っているかもしれません)
この,二人の演奏は凄かった!!息のあったコンビらしい自在なハーモニーとそれぞれの絶妙なソロ,お互いの呼吸に見事に反応する会話は一朝一夕では生まれない見事な演奏でした。

岡村誠司のギターソロでは,ソフトな音色と美しい7弦ギターサウンドによる絶妙なスイング


DON'T GET AROUND MUCH ANYMOREでは多田誠司の全盛時のフィル・ウッズもかくやと思わせる自在な速度感とフレージングがすばらしいソロが印象的です。



ST.THOMASでは,尾田悟の素晴らしいフレージングのソロに対して,山田穣の渾身のソロが力強いサウンドを刻みます。



 

いつもながらのバイソン片山のカリプソを刻む見事なドラムソロ,野中の力の入った重厚なベースサウンドのソロ




本田のピアノソロでWIILOW WEEP FOR ME,

尾田悟とのコンビでは初めて聞いた本田のピアノは,流麗華麗なソロというよりは,訥弁派の一音一音慈しむようなしっとりとしたソロです。粒のたったピアノの音色が印象的です。


岡村のギターソロで

MY ONE AND ONLY LOVE

名人岡村らしい流麗で繊細なサウンドでバラードを奏でます。自分のソロなら一層音量を上げたり,派手なプレイをしがちでしょうが,いかにも岡村らしい,しっとりとした演奏が,水を打ったように聴き入る聴衆にしみ入っていきます。

尾田悟とアルト仲良しコンビ(多田誠司・山田穣)の顔合わせはスイングの巨匠にいどむ,若手ジャズマンのエネルギー全開プレイがすばらしい一夜でした。

特に今,乗りに乗っている多田誠司のバップアルトの真髄を聴かせるプレイは圧巻でした。

次回の尾田悟のBflat赤坂出演は,8月3日(金),久しぶりに,4テナーズ(三木俊雄・安保徹・右近茂)with守屋純子(p) です。