竹内直カルテット

LIVE AT  吉祥寺サムタイム

WITH 大口純一郎(p)工藤精(b)江藤良人(d)

特別ゲスト 本田珠也(ds)


5.July.2002

吉祥寺サムタイム








竹内直カルテットを聴きに吉祥寺サムタイムに行ってきました。
竹内直(ts)と大口純一郎(p)の組み合わせは,初めて聴くので大いに楽しみです。
メンバーは

竹内直(ts)
大口純一郎(p)
工藤精(b)
江藤良人(d)



さて,ステージは
IF I SHOULD LOOSE YOU
から開始
江藤の繊細なシンバルワークに乗って,大口のいつもながらの美しいイントロから竹内直のテーマの美しさ,そして,ストレートに吹き上げるソロのきらめき。
2曲目はカリプソでデニス・チャールズ?という曲で
江藤良人のラテンフレーバーたっぷりのリズムが心地よい。
竹内直のテナーはちょっとロリンズの例の短音を引き延ばしたサウンドを彷彿とさせるいかにも南国的茫洋とした気分のサウンドです。
EVERYTHING I HAVE IN YOURS
では,竹内直の美しいテーマ処理から硬質な透明感あふれるソロ
そして,大口のピアノの美を極めるかのような美しいフレーズがあふれ出るソロ。
工藤のブンブンうなるベースと,テーマを生かしたソロが素晴らしい。
ボサノバナンバーで
O GRANDE A MOUR
クールなテーマから大口のこれまたクールな響きを醸し出すソロ
竹内直のテーマもクールに展開します。
江藤良人の抑制の利いたブラッシュプレイも気が利いている。





次のナンバーはビートの利いたソウルフルな曲で
江藤良人の強烈なリズムと工藤のリフに乗って
竹内直がアーシーにワイルドにテナーで吼え絶叫します。
ブレークで大口純一郎のピアノソロが一際美しくかっこいい!!
江藤良人の強烈なソロ!!






セカンド
ステージは
キャロル・キングの
YOU'VE GOT A FRIEND
大口純一郎の最高に印象的なイントロに乗って
竹内直がじっくり歌い上げます。
このテーマを聴いた瞬間,私の頭の中ではキャロル・キングの歌声がはっきり響き出しました。タペストリーをリリースして注目された時代,キャロル・キングというポップの歴史の(ティンバンアレイの歴史)継承者であるとともに,それまでのシンガー・作曲者のあり方をドラスティックに変えた偉大なソングライターの出現に衝撃を憶えた若かりし頃の事が走馬燈のように駆けめぐってきました。
きっと,他の誰がやっても,ポップ曲のジャズ化という私の苦手なジャンルにおちいってしまいがちなことを竹内直のテナーは簡単に飛び越えて,深い歌心を秘めた本格バラード演奏になってしまうんですね。これに大きく絡む大口純一郎の凄絶な美しさのピアノがまた素晴らしい。本日の白眉の演奏でした。






堅実なビートとがっちりとしたサウンドの工藤精のベース



現在最も引っ張りだこのドラマーの一人,江藤良人の硬軟取り混ぜたフレキシブルなサウンドは素晴らしい


サードセットでは,オフなのに遊びに来ていた,本田珠也が飛び入りで2曲演奏してくれました。
ご存知ファーストコールドラマー 本田珠也の最高のリズムセンスとパワー,そして特徴的な粘るスネアのうねるリズムが気持ちいい!!







竹内直と大口純一郎のコントラストの強い組み合わせは最高でした。
大口のどこまでも,美しい歌うピアニズムが竹内直の硬質な美を支え,時に凶暴に爆発するパワーをさらりと受けて一層の調和美へと昇華させるグループミュージックの粋が最高でした。