荒巻茂生BAND LIVE IN SOMETIME
2000年6月9日
吉祥寺SOMETIME
荒巻茂生ニューアルバム発売記念
- 荒巻茂生ニューアルバム発売記念(ARMAKIBAND ,AIRPLANE LABEL(www.airplanelabel.com) CD AP1009 ¥2800)
- のライブにその豪華なメンバーに惹かれて行って来ました。
- メンバーは
- 荒巻茂生(B)
- 山田穣(AS)
- 井上博之(TS,SS.FL)
- 竹内直(BCL,FL,TS)
- 今泉正明(P,KYB)
- 澤和幸(G)
- 本田珠也(DS)
大編成のコンポのため、狭いステージは楽器で足の踏み場が無い状態。
特に井上、竹内はいろんな管楽器を抱えてきているのでそのスタンドの配置に一苦労。
困った竹内はついにせっかく持ってきたテナーを配置するのをあきらめて、井上のテナーを拝借することに、そして、井上は竹内のフルートをという楽器交換(スワッピングか?)という事に相成りました。そんなこんなで、
第1部の演奏が始まり、
ヤマト(荒巻オリジナル)
紀州(荒巻オリジナル)
THE LONELY BASS MAN BLUES(荒巻オリジナル)
SUE’S CHANGE(MINGUS)第2部の曲目は
シンシン(?)(荒巻オリジナル)
バルト(49日)(井上のオリジナル)
エレイン・デビッド(?)(CHARLIE HADEN)
ジャンジャン
などです。全体に新アルバムからの曲目中心で、凝った組曲風の構成のものが多く、かなり気合いを入れていかないと難しそうなものばかり。本日がこの連続ライブの3日目ということで、各メンバーと曲目が充分こなれていることも実感できました。
荒巻は大分へばってきたとのことでしたが、、なんのなんの、演奏が始まれば、全員パワー120%全開の猛烈ステージへと突入しました。荒巻の重厚でムーディーで妙に和風なベースがうなりをあげてぐいぐいとバンドをひっぱり、本田珠也のすばらしいパンチの効いたドラムがリズムを押さえ、
今泉のピアノ・キーボードを駆使したプレイがこのバンドの基調を整えます。久しぶりに聴いた山田穣のアルトは、かつての、傷つきやすい繊細な、細身の音色の印象から、一変し、そこにはもろさやよりも哀愁が、細さよりも、確立した山田独自の音色といった印象が強烈でした。強力リズムセクションにあおられて、常にファーストソロをとりますが、リズムに負けない強く魅力的な、それでいてムーディーなソロがうれしかった。
井上はテナーとソプラノでいつもの彼ならではのユニークなソロと全体のアンサンブルに気を配ります。
竹内直はバスクラ、フルート中心です。シンシンでのフルートのソロでは、ビートの利いた、力のこもった、そして、勿論、竹内のフルートならではの美しい音色を奏でます。
山田、井上、竹内の3管の吹奏は、荒巻の尊敬するミンガスサウンドのように、小オーケストラのような多彩なテクスチュアを醸し出します。
特筆すべきは本田珠也のドラムです。
全曲を通じてパワー全開、強烈なビートで荒巻の複雑な曲の表現意欲をよく支えていきます。
特にシンシンでのアップテンポのロックリズムのような部分では、ものすごいパワーで、本田珠也、評判通りおそるべしという感じでした。ソロの部分は絶句しました。
澤和幸(G)のプレイは始めて聴きましたが、繊細な表現から、本田との強烈な絡みでのアグレッシブな表現まで幅広いアウトプットをもつギタリストという印象で、今度、じっくりこの人の演奏を聴いてみなくてはいけない、と感じさせる魅力いっぱいでした。荒巻と彼のバンドの表現意欲に溢れる演奏に、圧倒されっぱなしの2ステージでした。
あわてて、帰ったのでレジで発売されていた荒巻のニューアルバムを買うのを忘れたのを電車の中で気がつきました。