ANOTHER STEP

梅津和時(AS)
MAL WALDRON(P)
早川岳晴(B)
菊池隆(DS)

RECORDED APR.21 〜22.1982
ULP-5004 TICHIKU UNION RECORD

1.I SHOUD CARE
2.LONELY NIGHT
3.HOLE IN STOMACHWOMAN
4.CIRCULAR LINE
5.ROUND MIDNIGHT

今日は急に思いついて、マルのハードなアルバムを聴こうと思いレコード棚をかきまわしていると、ありました。
HARD TALK(レイシーとの名作)とならんで凄いアルバムと思っているANOTHER STEPです。マルの日本録音数多い中でもハードさでは際だっているアルバムです。
ライナーによると梅津のフォービートへの新たなの挑戦という意味でのANOTHER STEPだそうですが。
マルとアルトサックスといえば、マクリーンやドルフィーを誰しも思い起こしてしまうわけですが、ここでのマルと梅津は単なる顔合わせのお仕事を越えた真剣勝負。
梅津の硬質なアルトが真剣なおももちで切り込むと、マルは重量級サウンドのソロで応えます。いつものひょうひょうとしたモールス信号だけではありません。
梅津のオリジナル曲でのマルは、かつてのファイブスポットでの熱いソロを彷彿とさせます。
そして、圧巻はROUND ABOUT MIDNIGHT。この曲でマルと梅津からこんな重く厳しいソロが奏でられるとは。かくれた大名演です。
早川と菊池も手堅いだけにとどまらないすばらしいバックをつけています。
このアルバムなどは現在の梅津の活躍の中でも異彩を放つ物で、是非、再CD化が望まれます。
でも、もうでるのかな?この間、富樫雅彦のスピード アンド スペースが出ていましたから。
それにしても、この間までマルのアルバムは中古では捨て値で大量にでていましたね。ヨーロッパでの沢山のソロアルバムや日本録音など。確かにマルのモールス信号は下手に聴くとマンネリ、盛り上がりに欠けるなどの印象も受けるのですが、あのソロのエクスタシーが理解できるようになると、これらの捨て値のLP達は宝の山に見えてくるんですね。今の私はマルなら何でもOK状態です。