奥平真吾 from N.Y.
ザ・ピットイン・スペシャル・セッション
AT PITINN


2007年8月24日(金)新宿ピットイン








奥平真吾(ds)  (当夜はカメラを持参できなかったので、この際、2000年に原宿キーノートで撮って未公開だったフォトを掲載します。7年前のイメージが全然変わっていません。相変わらずの童顔の奥平真吾(^_^;))

2007年8月24日(金)新宿ピットインで奥平真吾 from N.Y. ザ・ピットイン・スペシャル・セッションを聴いてきました。
奥平真吾の帰国ツアーの最後の晩です。
メンバーは
奥平真吾(Ds)
山口真文(Sax)
市川秀男(P)
古野光昭(B)







久しぶりの大御所達とのセッションです。それぞれ、奥平真吾とは気心の知れた名人ばかりです。
オン・ グリーン・ド ルフィン・ストリートでファーストステージが始まりました。
奥平真吾は余裕たっぷり、透明で鋭く力強いシンバルのサウンドがドラムスの真ん前に陣取った私の脳天を直撃!!
高速・明晰なスネアの切れ味、濁り・介在物の一切ないバスドラの衝撃が一体となってグルーブを巻き起こします。
それを確実に支えるのは古野光昭(B)の強靱な弦をはじく地響きと衝撃が伝わってくるベースライン。
市川秀男(P)の幅のひろい自由闊達なピアニズムが強靱なリズムセクションにのって飛翔します。
そして、名手山口真文(Sax)の懐の深いテナーが暖かく、力強いソロを繰り広げます。
モンクのナンバー、ストレート・ノー・チェーサーでは奥平真吾(ds)と山口真文(Sax)のデュオから始まり、
いきなりの山口真文(Sax)の全開のソロの素晴らしさ。
市川秀男(P)のまだ名前のついていないバラードの新曲の美しさ。
奥平真吾の繊細柔軟なソロ。ことにシンバルの透明感溢れるレガート。
古野光昭(B)の地を這うベースラインの迫力。
原曲のイメージを覆す斬新なオールザ・シングス・ユウ・アーの市川秀男(P)の閃きに満ちたソロ。
市川秀男(P)作のブルースの新曲でのアーシーなピアノソロの楽しさ。
スインギーで軽やかな奥平真吾のバッキング。
古野光昭(B)をフューチャーしたマイロマンス。
アルコにピチカートに古野光昭(B)の美音を存分に発揮した力強さを内に秘めた美しいソロ。
奥平真吾のそっと寄りそうようなブラッシュプレイの繊細さ。







奥平真吾作曲の、「彼は言った」という意味のスワヒリ語の「アリスマ」がラストナンバーです。
アフリカの大地を想起させるようなパーカッシブな奥平真吾の強烈なポリリズムのドラミングに山口真文の全開のサックス、
古野光昭がアフリカの大地の鳴動を伝えるかのようなベースラインを強烈に弾き出します。
あっという間の2ステージでした。
先日のサムタイムでの奥平真吾の演奏が繊細緻密な思慮深い演奏だったのに比べて、
この日の新宿ピットインでの旧友達とのセッションでは、古野光昭の支えもあって、自在でリラックスしたパワフルな奥平真吾を見ることが出来ました。
このものすごいパワーと透明感が両立したドラミングは他に見ることは出来ません。
やっぱり、僕らに奥平真吾は必要なんだと痛感しました。







拍手鳴りやまない客席に応えて、アンコールは山口真文の選曲で、
I'LL CLOSE MY EYES!!
山口真文の強靱で美しいアドリブラインが名人の匠を見せつけます。
それを支える奥平真吾の4ビートドラミングのバッキングの美しさ。
古野光昭のウォーキングベースの大地を踏みしめる力強さ。市川秀男のピアノソロの息をのむような旋律線。
このスタンダードの演奏が当夜の白眉となりました。
これで、奥平真吾はニューヨークに帰って行くことになるのでしょうが、ファンとしては、また奥平真吾の音楽を焦がれる日々が続くことになるのでしょうか。