尾田悟VS西条孝之介 AT TUC 

WE LOVE PREZ&GETZ

5月26日東京TUC 尾田悟VS西条孝之介WITH岸ミツアキTRIOに出掛けてきました。

「WE LOVE PREZ&GETZ」となうったライブです。

無論、PREZとは尾田悟の敬愛するレスター・ヤングの、GETZは西条孝之介の敬愛するスタン・ゲッツの事です。
尾田悟と西条孝之介が敬愛する巨人達にトリビュートするライブをという意味でしょうか。

メンバーは
尾田悟(TS)
西条孝之介(TS)
岸ミツアキ(P)
田辺充邦(G)
小西忠哲(B)
という豪華なメンバーで、TUCならではのブッキングでうれしい。

早速、第1部が

岸ミツアキトリオの演奏で始まり、
ギルティーなどを軽快でスインギーに岸ミツアキトリオが奏でます。
ドラムレスの編成をあえて選択する岸の意図はその特徴的なテイタムもかくやという左手のラインを大切にしたいということなのかな、なんて勝手に思いました。


岸の紹介で二人のテナー名手が呼び出されます。



UN DECIDED
アナポーラ(西条孝之介のソロ)
風とともに去りぬ(尾田悟のソロ)
スターダスト
RICKY’S DREAM


第2部は




岸ミツアキトリオで
ジターバグ・ワルツなど2曲
尾田悟と西条孝之介が加わり、

ブロードウエイ
トプシー
ディア・オールド・ストックホルム(西条孝之介のソロ)
THESE FOOLISH THINGS(尾田悟のソロ)
LESTER LEAPS IN

などの曲目です。

岸ミツアキトリオのスインギーで懐かしいながらも現代風の解釈も加えた絶妙なリズムセクションにのった二人のテナーの丁々発止のやりとりは素晴らしいものでした。
尾田悟と西条孝之介のバトルは、私にとってはいにしえの自由が丘ファイブスポット以来のような気がします。尾田悟に確認しても、多分そうだということでした。

アナポーラでの西条孝之介の素晴らしいソロ。
ゲッツスクールから端を発したそのスタイルは既にワンアンドオンリーの域に達した独自の境地で、西条孝之介ならではの抑揚ある、硬質なサウンドに載ったクールな唄が展開されます。

風とともに去りぬやスターダストでの尾田悟の豊熟のサウンドに支えられたスムーズに紬出す唄の数々がきわめて印象的でした。

ディア・オールド・ストックホルムは、西条孝之介ならではのこの曲の料理の仕方を完全に把握している名人の世界です。これを支える岸のピアノと田辺のギターの絶妙な味わい溢れるソロも素晴らしい。

最近の尾田悟がよく取り上げるブロードウエイでのスインギーな演奏
トプシーでのカンサス流での尾田悟・西条孝之介のバトル
THESE FOOLISH THINGSでの尾田悟の尾田ならではの暖かい、丁寧なふしまわしのソロなど。



現在絶好調の岸ミツアキトリオというリズムセクションを得た二人のテナージャイアントの共演は、お互いの個性の違いを楽しませてくれると同時に、長年の仲間だけができる絶妙の呼吸で素晴らしいハーモニーを奏でてくれました。