尾田悟 テナーサミット2001
（尾田悟と3テナーズ）
2001年8月3日 （金）
於 Ｂflat赤坂
久しぶりに，待望の再開をはたした尾田悟と3テナーズのライブに行って来ました。
メンバーは
尾田悟(ts)
三木俊雄(ts)
岡崎正典(ts)
安保徹(ts)
守屋純子(p)
野中英士(b)
バイソン方山(ds)
千装智子(fl)
今回のテナーサミットは，いつもの右近茂(ts)がスケジュールの都合で，参加できなかったため，三木俊雄の推薦で岡崎正典が尾田悟との初共演を果たしました。
曲目は
ＦＩＲＳＴ ＣＯＭＰＡＮＹ
ＢＵＬＵＥＲ ＴＨＡＮ ＢＬＵＥ
ＩＴ ＣＯＵＬＤ ＨＡＰＰＥＮＮ ＴＯ ＹＯＵ
ＮＯ ＧＲＥＡＴＥＲ ＬＯＶＥ
ＡＮＧＥＬＩＣＡ
ＵＮ ＤＥＣＩＤＥＤ
ＢＩＲＮＩＥ’Ｓ ＴＵＮＥ
ＥＡＲＬＹ ＡＵＴＵＭＮ
ＪＵＳＴ ＩＮ ＴＩＭＥ
ＴＨＥＲＥ ＷＩＬＬ ＮＥＶＥＲ ＢＥ ＡＮＯＴＨＥＲ ＹＯＵ
ＭＯＫＯ’Ｓ ＦＡＮＴＡＳＹ
ＳＴ．ＴＨＯＭＡＳ
ＳＯＬＩＤ ＢＬＵＥ
ＣＲＡＺＹ ＲＨＹＴＨＭ
ステージは，おなじみのＦＩＲＳＴ ＣＯＭＰＡＮＹから始まりました。
4本のテナーサックスによる豪快なテーマ演奏，美しいハーモニー。
尾田悟のソロに続いて，三木俊雄，岡崎正典，安保徹，千装智子(fl)，守屋純子，野中英士をソロが続きます。
ＢＵＬＵＥＲ ＴＨＡＮ ＢＬＵＥでは三木のソロが彼ならではのコルトレーン以降のモダン派のテナーを受け継ぎ，風格さえ感じさせる素晴らしいソロ。初期のテナーサミットの頃から比べれば，フロントページオーケストラを率いたり，いろいろなグループで活躍している三木の経験がそのプレイに脈打って自信と確信にみちたプレイです。
こうしたビッグコンポやオーケストラにはなくてはならないピアニスト・アレンジャーとなった守屋のピアノソロは，短いものですが，雄弁で斬新なタッチな守屋独特のテイスト溢れる魅力的なものです。
続いて，尾田悟から安保と岡崎で何か一曲と指名されて，二人が選んだのが，ＩＴ ＣＯＵＬＤ ＨＡＰＰＥＮＮ ＴＯ ＹＯＵです。
岡崎の奇をてらうことのない主流派中の主流ともいうべき，バップを感じさせるオーソドックスなスタイルから醸し出されるソロは，エネルギーにあふれ，とても，新鮮に感じらるものです。岡崎正典要注目のテナーです。
そして，おなじみ，ハードバップテナーの雄安保徹のまさに，ハードボイルドなテナーソロが切れ味鋭く迫ります。
ＮＯ ＧＲＥＡＴＥＲ ＬＯＶＥでは，尾田悟と三木俊雄のテナーバトルです。三木のいかにもモダーンなソロは風格溢れるものです。その音色の美しさも特筆ものです。
尾田悟の名人の一筆書きのような流麗なソロ！！守屋純子の理知的な清新なピアノソロ。
守屋のアレンジの冴えをみせるＡＮＧＥＬＩＣＡではカリプソリズムの粋な曲，バイソン片山の楽しいリズムセンスが光ります。守屋純子のエキゾチックさを感じさせるボイシングのピアノが素晴らしい。
ＢＩＲＮＩＥ’Ｓ ＴＵＮＥでは燃える三木ともいうべき渾身のテナーソロが素晴らしい。これに刺激されて，岡崎の熱いソロ，いっそうハードでクールな安保のソロに続いて，新鋭千装智子のフルートソロが美しい。
ＥＡＲＬＹ ＡＵＴＵＭＮでの尾田悟の粋でいなせなソロが絶品です。
ＪＵＳＴ ＩＮ ＴＩＭＥでは，フロントページオーケストラのフロント二人，三木と岡崎の息のあったテナーバトルに，守屋のドライブの効いたダイナミックなピアノソロ。
ＴＨＥＲＥ ＷＩＬＬ ＮＥＶＥＲ ＢＥ ＡＮＯＴＨＥＲ ＹＯＵではコーン使いの二人尾田と安保のバトルです。尾田の深々とした歌に，安保のいかにもハードバップの名手という感のあるソロが素晴らしい。
ＳＴ．ＴＨＯＭＡＳでの尾田と千装智子のカリプソにのった楽しいソロの応酬に，野中のダイナミックに歌いうなるベースソロ！！
バイソン片山のぐいぐいと迫るドラミング！！
ＳＯＬＩＤ ＢＬＵＥでは4管が徐々にクレッションドしていくダイナミックなテーマ演奏が迫力満点で迫ります。
4管＋フルートというご馳走いっぱいの編成に，尾田悟と守屋純子のすばらしいアレンジを堪能した一夜でした。まるでビッグバンドを満喫したかのような満足感で一杯のライブでした。
ビッグバンドといえば，守屋純子のオーケストラのファーストアルバム
”Shifting Images”
が日本クラウンより10月24日発売されます。大いに期待されます。
昨年も素晴らしい演奏で好評だった尾田悟とユーロピアンジャズも今年もオランダの名手とともに，ツアーを組むことが決定されました。
東京近郊では，
10月12日（金）栃木県総合文化会館
10月13日（土）Ｂflat赤坂での最終公演が予定されています。
