尾田悟と３TENORS

１９９９年１１月２日原宿キーノートで尾田悟と３人の若手テナー奏者による，INVITES 3TENORSとなうったライブが行われました。
　メンバーは，尾田悟（ｔｓ），安保徹（ｔｓ），右近茂（ｔｓ），三木俊雄（ｔｓ），守屋純子（ｐ），野中英士（ｂ），山下暢彦（ｄｓ）
　尾田悟が若手テナーを率いてのセッションは３年ぶりくらいでしょうか。いってみれば尾田悟版テナーワークショップです。若手といっても既にこの３人それぞれに個性豊かに活躍中ですね。
　安保は的確なテクニックに裏打ちされたクールなスタイリスト。
　三木はもう，そのモダンなサウンドでおなじみですね。三木俊雄フロントページオーケストラを率いて活躍中。
　右近は，スイング派といっていいのかな，オーソドックに歌い込む今では貴重なスタイリストです。
　尾田悟はこのメンバー（ただし，ドラムが田鹿雅裕でしたが）を率いて，ライブレコーディングを行っています。（1996年　寺田オーディオパークレコード）この再会セッションですね。このレコードはヤングライオンズを率いて尾田悟と守屋純子のアレンジでテナーサックスのすばらしいサウンドを堪能させる出来映えでした。オーディオーパークのナチュラルな録音もすばらしいものです。
　さて，キーノートの曲目は，尾田悟と守屋純子のアレンジで，エリントンの曲目が中心で
ＣｒａｚｙＲｈｙｔｍ
Ｂｌｕｅｒ　Ｔｈａｎ　Ｂｌｕｅ
Ａｎｇｅｌｉｃａ
Ｉｆ　Ｉ　ｈａｄ　Ｙｏｕ
Ｕｎｄｅｃｉｄｅｄ
Ｔｈｉｎｇｓ　ａｉｎ’ｔ　ｗｈａｔ　ｔｈｅｙ　ｕｓｅｄ　ｔｏ　ｂｅ
Ｅａｒｌｙ　Ａｕｔｕｍｎ
Ｂｌｏａｄｗａｙ
Ｉｎ　ａ　ｓｅｎｎｔｉｍｅｎｔａｌ　ｍｏｏｄ
Ｆａｓｔ　Ｃｏｍｐａｎｙ
　などなど。
　４本のテナーの醸し出すハーモニー感に満喫，それぞれの個性を十分発揮したバトルに手に汗握り，守屋の切れとタメのあるアレンジも感心しました。右京の素晴らしいソロによる，Ｉｆ　Ｉ　ｈａｄ　Ｙｏｕでは右京の成長を実感しました。右京と安保による，熱いバトルが繰り広げられたＢｌｏａｄｗａｙ。また，三木のソロによるＩｎ　ａ　ｓｅｎｎｔｉｍｅｎｔａｌ　ｍｏｏｄでは，トレーンとエリントンのあの名盤を彷彿とするほど聴衆のため息をさそう名演（尾田が曲の後で厳しい表情で話し始めるので，何かなと思ったのですが，一言，良かったよと三木を称え，こういう連中が出てくれば，私も安心して，，，なんてちょっと，うーんとうなる話をしました）。
　ヤングライオンズに囲まれた尾田悟ですが，ちょっと思うと，レスター派ともいわれる尾田悟のサウンドでは若手のパワーにかすんでしまうかと。。でも完全に逆なんですね，若手ががんばればがんばるほど尾田悟の熟練の技が醸し出す芳醇としたサウンドが輝くんですね。また，守屋純子の理知的なピアノソロも印象的でした。