中村誠一!今夜は最高!

 1999年10月15日,原宿キーノートに中村誠一の2 Daysライブの二日目に出撃してきました。ここのところ,ピットインでもサムタイムでも出撃時間が遅くて,いい席が取れないことが多かったので念のため早めに到着。


 キーノートでは中村誠一(ts), 吉岡秀晃(p), 小杉敏(b), 小島勉(ds). ゲスト:岡崎好朗(tp)の面々がリハの真っ最中でした。

中村誠一とこのメンバーでのライブは初めてなんですが,我が敬愛する小杉敏のベースに,ファンキーの第1人者・吉岡のピアノ,そして現在好調の岡崎好朗のトランペットと素晴らしいハードバップな面々です。

知らないのは,小島勉という名前は聞いたことはありますが,具体的には思い出せないドラムスの人だけです。ま,このメンバーなら今夜は十分期待できそう。


 さて,ファーストステージは7時30分ぐらいから,ジブラルタルで始まりました。

強力なリズムセクションが叩き出すハードバップの世界に中村誠一の名人芸テナーと岡崎の乗ってる熱いラッパが炸裂します。

続いてホレスシルバーのナンバーからジョージ・ガーシュインメドレー,ジョージ・ケーブルスやブルー・ミッチェルのナンバーなどなど。まさに血脇肉踊る一夜の幕開けとなりました。


 特筆すべきは吉岡のファンキーで猛烈にドライブするピアノですが,今夜は私が聴いた中でも最高に熱いプレイでした。

中村誠一も吉岡に蘇る野生の本能,もう誰にも止められない(但し止める気も全く無いと。。。)とその凄さを称えていました。

さらに,全体の基礎をがっちり支えるは,お馴染み小杉敏の小柄な体から叩き出される強靱なベースサウンド。そしてこの二人にあおられる小島のメリハリの利いたドラム。


 あおられるといえば現在あっちこっちで大活躍の岡崎もこのリズムセクションにあおられたのか,普段にもまして熱く素晴らしいラッパ。  

御大中村のテナーは紅顔の美少年時代のフリー時代から現在までの研鑽の結果か,もう名人の域に達していると私は確信しました。この人はメンバー達がどんな熱い局面に達しても自分はクールに自在にテナーを操り,音楽を構築していきます。

構築といえば,昔の山下トリオは,私の印象では3人のコールアンドレスポンスの世界が特に楽しいと感じていましたが,今夜の中村も根底にはコールアンドレスポンスがかなり重要な表現となっているとまたまた印象づけられました。

吉岡と中村,小杉・吉岡と小島,吉岡・中村・岡崎のコールアンドレスポンスの世界,あー,こんな感じで,あの時代のハードバッパー達はクラブやスタジオで演っていたんだろーなー,なんて思っていました。
 それにしても,ひときわ熱い吉岡のソロで一挙に盛り上がり最後の曲になだれ込みました

。モブレイの名曲 ワークアウトです。

小島のフィリージョーライクなドラムで始まり,岡崎の全力を振り絞ったかのように叫ぶトランペット,モブレイもかくやと思われる中村の素晴らしいテナー,吉岡のドライブ力(ちょっとエロール・ガーナーライクな,,,目を丸める表情もライクです),

小杉の素晴らしいソロなど,さらにめちゃくちゃ盛り上がってキーノートの一夜も更けたのでした。なんか,熱いスタミナ料理を満腹になるまでごちそうになったかのようなライブでした。