三木俊雄&サクソフォーン
トライアングル
with 池田篤 岡崎正典

LIVE AT  TOKYO TUC


2001年6月30日
於 岩本町 TOKYO TUC
三木俊雄&サクソフォーントライアングルのライブを聴いてきました。



メンバーは
三木俊雄(ts)
池田篤(as)
岡崎正典(ts)
俵山昌之(b)
大坂昌彦(ds)

当夜のライブは,三木のアイデアでサックス3本でピアノレスグループ,そして,ノンPAのアコースティックライブです。

曲目は
ジニーン
THE DUKE(デイブ・ブルーベック作)池田のアレンジ
ディスウェアビー(クリス・ポッター作)
YOU ONLY KNOW WHAT I KNOW(池田作)
予言者(ウェイン・ショーター作)
曲目未定(三木作)
デューイ(三木作)
SPACE MONKEYS WITHOUT HAIR(岡崎作)
GOODBYE PORK PIE HAT(チャールズ・ミンガス作)三木のアレンジ
エヴィデンス(セロニアス・モンク作)
などなど

キャノンボールやマンハッタントランスファーの名演で知られるジニーンでステージは開始されました。
三木・池田・岡崎の3管が大坂昌彦(ds)と俵山昌之(b)の絶妙なリズムの絨毯にのって歌います。



池田アレンジのTHE DUKEでは美しいテーマ演奏の後,池田のバップ調のアルトソロ。自在で奔放なソロでありながら,全ての音がこの音しかないと納得させられる構成力,そして無駄のないサウンドに圧倒されます。続いて,岡崎がソプラノサックスで軽やかに飛翔するソロ。




大坂昌彦(ds)は単にリズムキーピングの役割にとどまらず,ピアノレスのグループにあって,音楽の流をコントロールし,このグループに多彩なサウンドとカラーをもたらします。
グループ全体のサウンドバランスを整える音量・音色コントロールの見事さ!!




眼前で聴く,三木のテナーソロでは,その生音の人間的な息使いあふれる渋い音色に打たれました。
俵山昌之(b)の流れるようなフレーズのベースソロが美しい。




ディスウェアビー(クリス・ポッター作)では,3本のサックスが難しいテーマ展開で始まり,岡崎のモブレーなどハードバップの名手を彷彿とさせる見事なソロ,魅力的なフレーズ続出です。



三木のテナーはいかにもの三木節全開のソロです。断片的なフレーズの連続がいつのまにかジグソーの断片がぴたっとはまるように,見事に音楽的なソロが完成していきます。
三木と岡崎の2テナーによる,手に汗握るバトル



池田の奔流となってほとばしるアルトソロ。
圧倒的な大坂のドラムソロ。
池田作曲のバラードYOU ONLY KNOW WHAT I KNOWでは,池田の美しいまさに人の歌声を思わせるアルトが自在で複雑な構成のソロを奏でます。


アップテンポなショーター作曲の予言者では,テーマ部のサックス3本が突き刺さるような強烈なアタックを,,,
三木のショーターのうねるフレーズを一層純化したような見事なソロが印象的です。
セカンドステージは,タイトル未定の三木の新曲で始まりました。
三木のドライブするテナーソロ,池田のアブストラクトな表現の渾身のアルトソロ,
岡崎の砂嵐を思い起こさせるような,うなり声も交えた不思議で印象的なサウンドのソロも圧巻でした。
デューイ(三木作)では,三木の切々と歌うテナーソロが素晴らしい。
いにしえのビッグバンドの名曲を想起させる乗りのいい,岡崎作曲のSPACE MONKEYS WITHOUT HAIR。
岡崎の見事なバップソロ,池田の奔放なアルトソロ
大坂昌彦のブラッシュプレイの絶妙なスイング感と見事な切れ味



当夜の白眉だったミンガスのGOODBYE PORK PIE HAT
三木の素晴らしいソロで開始し,3管があのテーマをまるでビッグバンドの如く分厚く歌います。三木の自在にテナーを駆使した渾身のソロ,池田のふりしぼるようなアルトの叫び。


この,音楽的に難しいチャレンジの3管ピアノレスグループも,三木,池田,岡崎の素晴らしいアレンジと,それぞれの実力を遺憾なく発揮し,大坂の最高のドラミングと俵山昌之の素晴らしいベースプレイと相まって,見事な演奏となりました。
このグループ是非また聴いてみたいものです。