守屋純子 with バリトンサミット

atキーノート



8月10日(木)原宿キーノートで守屋純子WITHバリトンサミットライブを聴いてきました。
メンバーは

宮本大路(BS,AS)
黒葛野敦司(BS,TS,)
小池修(BS,SS)
守屋純子(P)
加瀬達(B)
菅沼孝三(DRS)

本日は,ドラムスの菅沼孝三がこのグループに初登場ということです。ひとよんでドラムの手数王という菅沼が守屋の絶妙な編曲にのったバリトン3本の重厚でフレキシブルなアンサンブルにどう絡んでいくのか,大いに聞き物です。

曲目は
モンクのグリーンチムニーズ
ブルーベックのIN YOUR OWN SWEETWAY
OLD DEVIL MOON
ALMOST LIKE BEEN IN LOVE
CONSOLATION(ケニー・ホイーラー作)
THE FIRST STEP(守屋作)
APOINTMENT IN GHANA(マクリーン作)
ジョー・ヘンダーソンのブラックナルシス
GENTLE BREEZE(守屋作)
SNOWSCAPE(守屋作)
BIG ALICE(ドン・ピューレン作)

アンコールの
APPLE CORE(マリガン作)

など

バリトン3本のアンサブル中心のモンクのグリーンチムニーズ,BIG ALICE(ドン・ピューレン作),アンコールのAPPLE CORE(マリガン作)などでは,守屋のバリトンのハーモニーを生かしたアンサンブルに乗って,つづらの(黒葛野)のスムースネスな音色,宮本のいかにもバリトンらしい豪快な音色,小池の彼のテナーに通じるモダーンなサウンドという印象の3人の個性豊かなバリトンが心地よくスイングします。

さらに当日の印象的なプレイでは,
IN YOUR OWN SWEETWAYやSNOWSCAPE(守屋作)での小池の美しいソプラノサックスソロ



ALMOST LIKE BEEN IN LOVEやGENTLE BREEZE(守屋作)での宮本の豪快なアルト(あるときはキャノンボール,あるときはドルフィーを彷彿とさせるパワー全開のプレイがうれしい)



ALMOST LIKE BEEN IN LOVEやジョー・ヘンダーソンのブラックナルシスでのつづらの(黒葛野)のスムースネスで素晴らしいテナーソロ




加瀬達(B)のグループを支える太くどっしりしたベースラインとよく歌うベースソロ



当夜特に印象深かったTHE FIRST STEP(守屋作)やBIG ALICEでの菅沼孝三(DRS)の手数の凄さに加えて的確なテクニックに裏打ちされたバスドラの連打など見所聞き所満載のプレイで,さらに球やらプラスティックの筒などまで飛び道具?使うサービス精神旺盛なソロにファンはやんやの喝采です。


全曲通じて守屋のアレンジは,バリトンの特色を生かして,単調さや単色さを回避して,カラフルで美しいハーモニーを奏でて,音楽的・技巧的には高度で難しいと思われる編曲なのに,親しみやすく楽しいサウンドを提供してくれました。


守屋のピアノのソロでは,やっぱり,守屋自作曲が素晴らしい。自作曲でのソロは自在で,自由に音楽が飛翔するかのようで,守屋独自の清新で鮮烈なピアノサウンドがきわめて印象深いものでした。

さまざまな聞き所がつまった,アッという間の楽しい充実した2ステージでした。

10月5日(木)神田の東京“TUC”での 文化庁芸術振興基金支援公演として行われる<守屋純子オーケストラ/Tribute to C.Mingus>がますます楽しみになってきました。